我が家のハタケを始めるに当たり、できれば無農薬、そして化学肥料を使わずに作りたいと考えました。
そこで、参考となるバイブル探しをしたところ、とある本に出合いました。それが竹内 孝功氏の「1㎡からはじめる自然菜園。草を活かして、無農薬で野菜がぐんぐん育つ!」。
この本、著者が実践してきた、無農薬で肥料もほとんど使わない「自然菜園」の入門編として、イラストや写真を交えながら、初心者にも分かりやすくまとめられています。
まずは1㎡、すなわち1m×1mという最小限の大きさから始めましょう!という身近に感じるスタンスにも共感して、この本をバイブルにして、我がハタケの野菜作りがスタートしました。
以下は、本の中で書かれている自然菜園農法のポイントの抜粋です。
1㎡からはじめる自然菜園のポイント
ポイント1 農薬・化学肥料を必要としない
ポイント2 草を活かす
ポイント3 複雑なローテーションは不要
「1㎡からはじめる自然菜園 草を活かして、無農薬で野菜がぐんぐん育つ」から
一般的な常識にとらわれない「目からウロコ」的なコンセプトですが、無農薬・無肥料でおいしい野菜ができるならそれに越したことありませんので、いざ挑戦!です。
ポイント1 農薬・化学肥料を必要としない
自然と謳うだけあって、自然菜園農法では耕さず、草も抜かず、農薬や化学肥料を必要としません。なぜなら自然菜園は、自然の営みを生かす菜園だから。野菜も草も微生物も、生物たちは自分たちがより暮らしやすくなるように、絶えず土やお互いに働きかけながら生きているから、というのがその理由です。
確かに、普通の畑や田んぼって、農薬をまいたり、肥料を与えたりするのが当たり前、という感覚がありますが、自然の山林や野原は、農薬も肥料も与えられていないのに、植物たちは何十年、何百年と命をつないで繁栄しています。これって、当たり前のようで実はそのメカニズムがすごいことなんだ、と改めて実感します。
わがやの隣の原っぱも、冬の到来と共に枯れた草たちは、春の訪れを待っていたかのように芽吹き、季節が進むのに合わせてぐんぐんと成長し、セミが鳴き誇る盛夏を迎える頃には草いきれでむせ返るほどにまで成長していきます。肥料も何も与えていないのに。それが毎年、毎年繰り替えされても、その勢いは衰えるどころか、どんどんと勢いを増すかのように感じます。
そう考えると、植物や土、土の中の様々な微生物たちの営みが、互いに影響しあい、互いに共存し共栄するように働いているんだな、ということが分かります。
自然菜園農法の考え方もこれに近いものだと思います。野菜も本来は植物。であれば、肥料なんか与えなくても、その野菜が育つ環境を整えることを少し手伝うだけで、勝手にぐんぐんと育っていくはずなんだと思います。
ポイント2 草を活かす
自然菜園農法のもう一つのポイントがこの「草を活かす」です。普通の感覚だと、雑草が生えてきたら、こまめに抜き取り、野菜しか植えられていないきれいな畑が理想的なように感じますが、自然菜園農法では、野菜の根元に刈った草を敷いて「草マルチ」にするんです。
「マルチ」というと一般的には、黒いビニールで畑の畝を覆うことを意味しますが、自然菜園農法ではそれを刈り取った草でおこなうから「草マルチ」なんですね。そして、この「草マルチ」がすごいんです。
草マルチの下はいろいろな生き物のすみかとなり、食物連鎖がうまく回るようになっていきます。そうなると、自然に病害虫の発生も抑えられ、野菜にとってよい環境となっていきます。刈り取る草も、あくまでも刈り取るだけで根を残すことで、根穴構造や団粒構造といった作物が育ちやすい土をはぐくむ効果も生まれます。草マルチ、すごいです。
ポイント3 複雑なローテーションは不要
野菜作りをする上でのハードルはいろいろとありますが、調べてもよくわからないのが連作障害のこと。同じ野菜を、同じ場所で作り続けることで起こる連作障害ですが、同書では連作障害を考慮したぐるぐるリレープランという育て方で、連作障害を起こさず、無理なく、自然に野菜が育つ方法を教えてくれます。
相性の良い野菜を混植し、リレー栽培するため、毎年野菜の配置を変える必要がないんです。自然の営みに沿って、野菜から野菜へとリレーのバトンタッチを繰り返すほど、どんどんその野菜たちに適した土になっていくんです。